猫白血病キャリアと判明して生後半年で保護した愛猫シマ。2歳半でリンパ腫を発症し、7ヶ月の闘病生活を経て3歳と1ヶ月で永眠しました。猫と映画とお酒をこよなく愛するcapucineの日記です。
by capucine40
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昭和の光源氏、風松吉

しばらく映画をゆっくり見る時間もなく、かなり欲求不満でした。
この休日は映画を4本見ることができましたが、さすがにちょっと疲れました。
今日はその中から市川崑監督の『黒い十人の女』を紹介します。

その前に、夏から待ちに待っていた「30年振りに復活」でご紹介した
『犬神家の一族』はなんとかすべりこみで見ることができました。
30年という時を経て何よりも感じたのが、役者の老い…。
仕方のないことかもしれませんが、石坂浩二演じる金田一耕介にも、
加藤武演じる等々力警部にも勢いがなく、一抹の寂しさを感じました。
しかし、市川作品独特の雰囲気は未だ失われておらず、欲を言えば
『犬神家の一族』のリメイクではなく他の横溝正史作品を撮って欲しかったところ。

さて、この『黒い十人の女』という映画は1961年に製作されたモノクロ作品です。
テレビ・プロデューサーである風松吉(船越英二)をその妻と9人の愛人たちが
殺そうと企てるとっても怖い物語。
数年前にテレビ版が放送されたのでストーリーをご存知の方もいるかもしれません。
面白いのは妻・愛人を合わせて10人の女たちの氏名が数字になっているところ。
何故か妻が2番の双葉(山本富士子)で、愛人①は女優石ノ下市子(岸恵子)
愛人③は一人息子を抱え旦那に死なれた未亡人の三雲三輪子(宮城まり子)
愛人④はコマーシャルガールの四村塩(中村玉緒)、愛人⑤はボーイッシュな
キャリアウーマンの後藤五夜子(岸田今日子)…。
10人の女というのは本人同士が知り合っているという理由で10人なのですが、
松吉は妻に自ら「もっといるんじゃないかなぁ~」というほど悪びれる様子もなく、
女たちに自分の命が狙われていると知った後でも百瀬桃子という
新人女優に声を掛けます。これはつまり100人目ということを示唆しているのか、
別れた女性を含めたらもっとたくさん居たということなのでしょうか?

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この風松吉という男の言動は『源氏物語』の光源氏を彷彿とさせました。
後ろ盾のない未亡人ですら愛人にして仕事の世話をし、
やさしさから器量の良くない受付嬢も愛人にしていることをさすがに
気の毒に思う妻と第1愛人の市子。
未亡人が最も松吉を愛していることや、死んだ後に幽霊となって現れるところなど、
『源氏物語』の六条御息所と重なる部分があるし、器量の良くない娘すら
やさしさから愛人にしてしまう経緯も末摘花を思い出しました。
しかし、この松吉は知らないうちに女の人ができてしまうんだと訴え
相当疲れているようで、そんな様子がどうしても憎めないのです。
そして、妻が印象深い一言を放ちます。
「誰にでもやさしいというのは、誰にもやさしくないってことなんですよ。」
こうして女たちの復習は予想もしない結末を迎えることになります。

この映画の中で飛びぬけて美しいのが石ノ下市子を演じる岸恵子です。
ほっそりとした綺麗な足を蟻が這うシーンはとても素敵でした。
今年75歳を迎えるというのに、現役で活躍し変わらぬ美貌を維持して
いることには本当に驚くばかりです。

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最近市川監督の『女王蜂』を見直したのですが、46歳で演じた独身の
家庭教師、神尾秀子の役柄は和服におかっぱスタイルが似合い特に綺麗です。
こんな日本女性にならなければと目標にしたくなる美しさでした。
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by capucine40 | 2007-02-19 17:18 | movie